About
大島紬美術館とは
私たちは大島紬を芸術品だと信じています。
この素晴らしい大島紬を企画・製作し、歴史的な名品から新作まで大事に保管して
価値を分かってくれるお客様にお渡しする。
その拠点の名には「美術館」しかないと思い定めていました。
なんて大げさな名だ、とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
でも「美術館」には私たちの永年の夢がこもっているのです。
言い換えれば、美術品のような素晴らしい大島紬を作ろうという覚悟を示しています。
代表取締役 肥後 勝代
大島紬について
大島紬は、奄美大島を中心として製造される絹織物、そして、その反物から仕立てられた着物を指します。撚糸された絹糸を先染めし、締め機をし、織り上げる工程は、全て職人の手作業によって仕上げられます。奄美大島の大地からかりてきた、その独特の植物の色彩と絣に特徴があり、身に纏うと非常に軽く、季節や場所を問わずに着られるため、晴れ着、日常着として、古くより親しまれてきました。
図案、のり張り、絣締め加工、テーチ木染め、泥染め…数え方によっては100以上とも言われる気の遠くなるような細やかな作業工程。一反につき、数十人の職人は関わります。
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- ● 締め機(しめばた)
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大島紬には織りの工程が二度ありますが、最初に行うのが締め機です。図案に沿って色を入れるところと入れないところを織り分け、経(たて)と緯(よこ)それぞれの絣筵(かすりむしろ)を製作します。
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- ● 泥染め
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発酵させたテーチ木の抽出液で褐色に染めた後、泥田に浸し、水洗いし、乾燥までの工程を何度も何度も繰り返します。テーチ木と泥田の鉄分が自然の化学反応を起こし、絹糸が黒く染まり、天然の黒色が生み出されます。
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- ● 染めの原料
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原料には奄美大島に自生するテーチ木のほか、泥田にはソテツが欠かせません。ソテツの葉を入れておくことで鉄分が補充でき、染めに適した環境を育てます。ソテツは紬の伝統模様としても大切にされています。
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- ● 絣(かすり)
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締め機で締め、泥染めまで終えた絣筵(かすりむしろ)を一度全て糸の状態に解き、経糸と緯糸の絣糸を作ります。その糸を絣を合わせながら織り上げることで細やかな柄を描き、大島紬独特の風合いが生まれます。
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大島紬美術館のこと
大島紬美術館株式会社は、大島紬を製造販売する織元として大島紬の心を後世に繋いでゆきたいという想いから、着物の製造だけでなく、その背景にある島の自然風土、人の営み、着物文化を伝承するためのコミュニティとして様々な事業を展開してきました。
- ・製造から販売まで担う「織元」
- ・「藝術」としての大島紬を保存継承する「美術館」
- ・島の文化を体験していただく「宿泊施設」
- ・大島紬の歴史、製造工程を伝える「資料館」
- ・工場兼染色施設の「草木泥染研究所」
- ・その他イベント
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これからのこと
織子さんには、「島唄が上手な人が多い」と言われ、島唄を口ずさみながら機織りをする職人さんも少なくありません。島の暮らし、人の気質まで含めて、大島紬には奄美という土地の文化が内包されています。
こんな時代だからこそ、本物の技術を守りぬくという強い意志をもってこれからも活動してまいります。
Contact
工房見学や展示会、美術館について、取材、採用等のお問い合わせにつきましては、
お電話またはメールにてお気軽にご連絡ください。
- Tel: 0997-63-0065 (代表)
受付時間:平日10:00〜17:00
- Mail: info@oshima-tsumugi.com
Company
大島紬美術館株式会社
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- 奄美本社
- 〒894-0505
鹿児島県奄美市笠利町平1260(Map) - Tel: 0997-63-0065
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- 大阪ショールーム
- 〒563-0021
大阪府池田市畑 5-7-8(Map) - Tel: 072-754-0880
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History
1905年、当社創始者・修朗の祖父である肥後藤親が笠利町にて大島紬の製造を開始。締機の技術を習得し、製造に取り組む。大正時代、大島紬同業組合が結成され、組合員として製造に励む。
1960年代、藤親の子らが点在する各工程の技術者を集め、高品質の糸づくりから製品化まで手掛ける一貫工場を設立。生産の効率化を進めると同時に機屋をまとめ、全国の問屋や百貨店、取扱業者を開拓。
1968年、1972年、昭和天皇と皇后両陛下に続き皇太子殿下、妃殿下が行幸啓。その後、高松宮殿下と妃殿下、常陸宮殿下と妃殿下が御来社。
1972年、修朗が奄美大島・鹿児島の製造機屋10社からなる本場奄美大島紬織元協同組合を設立し、代表理事に就任。
1998年、大阪府池田市に大島紬美術館株式会社を設立。「大島紬美術館」の商標を取得し、全国へ展開。
2005年、奄美大島に「ホテル ティダムーン」を開業。
今日も本場大島紬の各工程の職人と共に、独自の製品をつくり続けている。